正絹の着物を初めて手に入れると、多くの人が「保管」を最初の課題に感じます。
桐箪笥を持たない家庭では、湿気や虫害の対策が難しく、保管環境に不安を抱く方が少なくありません。
とくに、親や祖母から着物を譲り受けた人や、訪問着など格の高い着物をいただいた人の場合、実際に着る機会よりも「しまっておく時間」のほうが長くなりがちです。
そのため、簡単で確実に保管できる方法を知ることが重要になります。
着物初心者に多い保管の失敗
初めて着物を扱う人がやりがちな失敗は、以下の3つです。
- 不織布カバーのままクローゼットに掛けてしまう
- 防虫剤を直接入れてしまい、香り移りやシミを起こす
- たとう紙のまま長期間放置して湿気を吸わせる
これらはいずれも、正絹が湿気やにおいを吸収しやすい素材であることが原因です。
理想は、空気を遮断して湿気をコントロールする環境を作ること。
桐箪笥で保管できれば何よりですが、なかなか部屋のスペース的にも金額的にも難しいことが多いです。
そのための実用的な選択肢が「きものキーパー」です。
きものキーパーの特徴と利点
「きものキーパー」は、着物をたとう紙ごと密封できる専用保存袋です。
防湿・防虫・防カビ効果を一度に得られる点が特長で、桐箪笥がなくても収納環境を整えられます。
実際に使ってみると、着物3枚・袋帯3本・名古屋帯3本・道中着1枚が、3袋に収まりました。
密封状態でも見た目がすっきりしており、取り出す際も手間がありません。
また、防虫剤や乾燥剤の交換が不要なため、管理コストを抑えられます。
収納場所としては、横幅のある棚や押入れの中段〜上段が最適です。
収納を快適にするためのポイント
- 着物はたとう紙ごと袋に入れる
- 使用後は風通しの良い場所で一晩陰干ししてから収納
- 開封・取り出し時は手を清潔に保つ
これだけで、カビ・シミ・におい移りのリスクを大幅に減らせます。
特別な道具や手間は不要です。
一緒に揃えておきたい着付けアイテム
着物を保管するだけでなく、「次に着る準備」も整えておくと管理がさらに楽になります。
- ストレッチ足袋:柔らかい素材で、長時間でも足が疲れにくい。
- ワンピース型着物インナー:上下が一体化しており、着崩れを防ぎつつ着脱も簡単。
どちらも自宅で洗濯可能な素材を選べば、季節を問わず清潔に保てます。
リンクから詳細を確認できます。
まとめ
着物を美しく保つために必要なのは、高価な家具ではなく「正しい環境」です。
「きものキーパー」を使えば、桐箪笥がなくても省スペース・低コスト・低管理負担で着物を守ることができます。
初めて正絹の着物を手にした方にとって、最も現実的で安心できる保管方法です。
